「チームなのに、なんで仲が悪いんだろう」
「ピリピリした空気の中で仕事するのがしんどい」
「板挟みになって、どっちにも気を使って疲れる」
「誰かの愚痴に付き合うたびに、自分まで消耗していく」
「このチームにいると、自分まで暗くなってくる」
チームのメンバー同士の仲が悪いと、自分は何も悪くないのに毎日が消耗します。会話が少ない、目が合わない、誰かへの愚痴が飛び交う。
そんな空気の中で、「自分はどうすればいいんだろう」と途方に暮れている。
私にも同じ経験があります。以前いた職場は、とにかく忙しく、チームの全員が忙しさでピリピリしていました。話しかけようとすると、めんどくさそうな顔をされる。派閥のようなものはありませんでしたが、好き嫌いによる対立はあって、誰かへの愚痴が聞こえてくることもある。そんな職場でした。
チームの関係をすぐに修復することはできません。でも、今日から一つだけ変えられることがあります。
自分だけは「どちらにもフラット」でいるだけでいい
「それだけで何が変わるの?」
そう思うかもしれません。でも、これには理由が3つあります。
理由① 対立に「加わらない」だけで、消耗が半分になる
チームの仲が悪いとき、気づかないうちに「どちらの味方か」を求められる雰囲気になります。どちらかに引っ張られると、もう片方との関係が悪くなり、板挟みの消耗が始まります。
社会心理学では「感情の伝染」という現象が知られています。ネガティブな感情は、直接関係していなくても周囲に伝わっていくというものです。
だからこそ、どちらにも同じ態度で接することを意識するだけで、あなた自身が対立の外側にいられます。
- 片方の愚痴に乗らない(「そうですね」とだけ言って話題を変える)
- 両方に対して、仕事上の会話は普通に続ける
- 「あの人ってどう思う?」と聞かれても「仕事では問題ないです」と答える
特定の側についてしまうと、あなた自身が対立の一部になります。フラットでいることが、あなたを守る一番の方法です。
理由② 中立の人間は、対立するどちらからも信頼される
組織心理学の研究では、職場の対立において「中立を保てる人」は、長期的に両者から信頼されることがわかっています。
どちらかの味方をすることで短期的に関係が近くなっても、対立が続く限り消耗は続きます。一方、フラットでいることで、両者から「この人には話せる」と思われる存在になれます。
今は居心地が悪くても、あなたがフラットでいることは、チームの中で静かな安心感を生み出しています。
理由③ 「関係を直す」責任を手放すと、気持ちが軽くなる
「自分が何とかしなきゃ」と思っていませんか?
でも、チームの対立を解決するのはあなたの仕事ではありません。心理学では「責任の境界線」という概念があります。自分でコントロールできないことへの責任を手放すことで、ストレスは大幅に下がるというものです。
あなたにできるのは、自分がフラットでいること。それだけです。チームの関係を直す責任まで背負う必要はありません。
私の場合|どちらとも「普通に接する」だけを続けた
その職場で私がやっていたことは、たった一つです。対立している人の、どちらとも普通に接すること。
片方の肩を持つこともしないし、逆にどちらかを避けることもしない。仕事の会話は、相手が誰でも同じテンションでする。それだけです。
正直に言うと、それでチームの空気が良くなったかというと、変わりませんでした。中立でいれば職場が明るくなる、なんて魔法のような話はありません。
でも、振り返って気づいたことがあります。私は一度も、対立や愚痴に巻き込まれなかったのです。ピリピリした職場で、少なくとも「人間関係の火の粉」だけは浴びずに済んでいました。
中立は、チームを変える魔法ではありません。でも、自分を守る盾にはなります。それが、実際にやってみた私の実感です。
愚痴に、曖昧に笑わなくてよくなる
——今までのあなた
朝、席に着いた瞬間からチームの空気の重さを感じる。
「ねえ、聞いてよ。あの人また勝手に仕様変えてさ」
始まった愚痴に、「そ、そうですね……」と曖昧に笑いながら、内心ひやひやしている。
「(うわ、来た……。ここで同意したら、あっち側だと思われるよな……)」
「(でも否定したら、この人の機嫌が悪くなるし……)」
どっちつかずの返事をしぼり出して、席に戻る頃にはどっと疲れている。
「(また始まった……。今日も気を使って一日が終わるんだろうな)」
——フラットでいると決めた、これからのあなた
「ねえ、あの人のことどう思う?」
そう聞かれても、もう心の中で慌てない。
「仕事では特に困ってないですよ。それより、例の資料って今日まででしたっけ?」
さらっと返して、静かに仕事に戻る。
「(味方も敵も決めない。私は仕事をしに来てるんだから)」
私の職場も、空気そのものは変わりませんでした。それでも、巻き込まれない毎日は、巻き込まれる毎日よりずっと軽い。
帰り道、ふと気づきます。
「(そういえば今日、人間関係で疲れてないな)」
「今日は板挟みで疲れた」という日が減っていく。それだけで、職場にいる時間は確実に楽になります。
どちらにも、同じ態度で接する
チームの仲が悪い環境にいるのは、あなたのせいではありません。
今日から一つだけ意識してみてください。
「どちらにも、同じ態度で接する」
それだけで、あなたは対立の外側にいられます。
参考文献
- Hatfield, E., Cacioppo, J. T., & Rapson, R. L. (1993). Emotional contagion. Current Directions in Psychological Science, 2(3), 96–99. doi:10.1111/1467-8721.ep10770953

