※本記事にはプロモーションが含まれます。
「この会社にいて、自分はちゃんと成長できているんだろうか」
「毎日忙しいのに、去年と同じことをやっている気がする」
「同期はどんどんできることが増えていくのに、自分だけ止まっている」
仕事で成長できていない気がする。でも、何がどう足りないのかは、自分でも言葉にできない。そんな漠然とした不安の中にいませんか。
私も新卒の頃、まったく同じ場所にいました。毎日必死に働いているのに、自分が変わっている実感はゼロ。今思えば、「何をもって成長とするか」という物差しを持たないまま、雰囲気だけで自分を測っていたのだと思います。
成長が実感できないのは、あなたが成長していないからとは限りません。測る物差しを持っていないから、見えていないだけかもしれないのです。
成長が見えないのは、比べる相手を決めていないから
成長は、それ単体では見えません。必ず「何かと比べて」初めて形になります。
にもかかわらず、成長が実感できないときの私たちは、比べる相手を決めないまま、頭の中だけで自分を採点しています。根拠もなく不安になり、根拠もなく落ち込む。それは、物差しを持っていないからです。
比べる相手には、3つの候補があります。
- 物差し①:他人の目──自分では見えない変化を、周りは見ている
- 物差し②:過去の自分──記録があって初めて、比べられるようになる
- 物差し③:同期──焦りの材料ではなく、伸ばす方向を教えてくれる
3つとも使う必要はありません。今の自分に一番しっくりくるものを1つ選んで、そこから始めてください。
物差し①|信頼できる人に、率直に聞いてみる
やることはシンプルです。上司や先輩に「1年前の自分と比べて、今の自分はどう見えますか」と直接聞いてみてください。
自分の変化は、自分自身が一番気づきにくいものです。日々近くで見ている相手だからこそ気づける変化があります。恥ずかしさはあるかもしれませんが、一言聞くだけで、自分では見えていなかった成長が見つかることがあります。
ジョハリの窓|自分では見えない変化を、他人は見ている
心理学に「ジョハリの窓」という考え方があります。自分は知らないが他人は知っている自己、つまり「盲点の窓」が誰にでも存在するというものです。
成長も同じです。自分では気づけない変化のいくつかは、他人からのフィードバックによって初めて見えるようになります。自分の内側だけを探しても見つからないのは、当然のことなのです。
成果を出す人ほど、自分から聞きに行っている
フィードバックを自分から取りにいく行動は、経営学で30年以上研究されてきました。アシュフォードとカミングスは、これを「与えられるのを待つ」のではなく「自分で情報を作りにいく」行動として捉え直しています。アンセールらが30年ぶんの研究をまとめたメタ分析でも、自分からフィードバックを求める行動が、仕事の成果と結びつくことが報告されています。
成果を出し続ける人ほど、実は他者からのフィードバックを積極的に取りに行っています。フィードバックを求めることは、弱さの表れではなく、成長を続けるための土台なのです。
自己評価は、悪い方に偏りやすい
人の自己評価は、実際の状態よりもネガティブに偏る傾向があります。特に真面目な人ほど、できていない部分にばかり目が向き、できるようになった部分を見過ごしがちです。
一方で、周囲の人はあなたの日々の変化を、感情の色眼鏡なしで継続的に見ています。だからこそ、第三者からの評価のほうが、実態に近いことが多いのです。
私の場合|先輩の答えは、「できること・できないこと・改善点」だった
その頃の私は、思い切って先輩に正直に聞いてみました。「自分、成長できてますかね」と。
返ってきたのは、励ましでもお世辞でもなく、具体的な整理でした。今の私に「できること」、まだ「できないこと」、そして「改善点」。この3つを、淡々と教えてくれたのです。
一番驚いたのは、「できること」の多さでした。
「意外と、できているんだな」
自分では当たり前になっていて、成長として数えていなかったことが、先輩の目にはちゃんと変化として映っていました。私も、できていない部分ばかりを見て、できるようになった部分を見過ごしていたのです。
そして「できないこと」と「改善点」は、落ち込む材料にはなりませんでした。むしろ、次に何をすればいいかの具体的なリストになりました。聞く前の私は「漠然と不安な状態」でしたが、聞いた後は「やることが見えている状態」に変わっていました。
物差し②|週の終わりに、できるようになったことを1つ書く
人に聞くのはハードルが高い、という場合はこちらです。週の終わりに「今週、前より少しでもできるようになったこと」を1つだけメモに残してください。
「今週は初めて一人で会議の進行ができた」「前は時間がかかっていた資料作成が早くなった」──どんなに小さなことでも構いません。1つだけ、書き留める。それを毎週続けていくだけです。
進捗の法則|人を動かすのは、大きな成功ではなく小さな進捗
心理学者テレサ・アマビールの研究に「進捗の法則」というものがあります。人のモチベーションに最も強く影響するのは、大きな成功ではなく、小さな進捗を実感できることだ、というものです。
大きな変化は滅多に起きません。しかし小さな進捗であれば、意識して探せば毎週見つかります。それを見逃さずに拾い上げることが、実感の積み重ねにつながります。
積小為大|「小さすぎて意味がない」と思うことでも
江戸時代の思想家、二宮尊徳は「積小為大(小を積んで大と為す)」という言葉を残しています。小さなことを積み重ねることこそが、大きな成果につながるという教えです。
「小さすぎて意味がない」と思うようなことでも、積み重ねれば確かな成長の跡になります。書き留めるという行為そのものが、積み重ねを形にする作業なのです。
小さな変化は、記憶から消えていく
人は、日々のちょっとした変化をすぐに忘れてしまいます。例えば半年前にできなかったことも、今はできて当たり前になっていると、「できなかった頃」の記憶自体が薄れてしまうのです。
だからこそ、記録が必要になります。書き留めておけば、後から見返したときに「こんなに変わっていたのか」と気づける。記憶に頼らず、事実として積み重ねを残すことが、実感を取り戻す一番の近道です。
私の場合|タスクごとの仕事メモが、「成長の物差し」になった
当時の私がやっていたのは、この方法と少し形が違います。週1回ではなく、タスクごとに「どんな仕事をしたか」をメモに残していました。目的も、最初は成長の記録というより、ただの仕事の記録でした。
効果を実感したのは、ふとした時にそのメモを見返した瞬間です。
「あの時は、ここまでしかできなかったのか」
数ヶ月前の自分が、今なら半分の時間でできる仕事に苦労している。当時は必死だった仕事を、今は当たり前にこなせている。読み返すまで、自分ではまったく気づいていませんでした。記憶の中の自分は「ずっと変わっていない」のに、記録の中の自分は、確かに変わっていたのです。
形は何でもいいのだと思います。週1回でも、タスクごとでも、書き留めてさえあれば、それはいつか物差しになります。
物差し③|同期の「すごい」を、伸ばしたいスキルとして書き出す
同期と比べてしまうことがやめられない、という場合は、比較をやめるのではなく、比較の使い道を変えます。
同期の「すごい」と感じる部分を書き出し、それを「妬む対象」ではなく「自分が次に伸ばしたいスキル」として位置づけ直してください。
例えば「あの人は会議で的確に発言していてすごい」と感じたら、それは「論理的に発言する力を伸ばしたい」という自分の願望のサインです。感情のまま「悔しい」で終わらせず、「じゃあ自分は何を伸ばせばいいのか」という具体的な行動目標に変換してみてください。
上方比較|分かれ目は、比較そのものではなく比較したあと
心理学には「上方比較」という概念があります。自分より優れた相手と比較する行為は、使い方次第でモチベーション源にもなれば、自己否定の源にもなるというものです。
比較そのものが悪いわけではありません。比較した後に何をするかが分かれ道なのです。「自分はダメだ」で止まるか、「あの人みたいになるには何が必要か」に進むか、その違いが結果を大きく左右します。
劣等感は、成長の刺激剤になる
心理学者アルフレッド・アドラーが築いたアドラー心理学では、劣等感そのものは問題ではなく、それをどう活かすかが重要だと説かれています。
劣等感は、誰の中にも自然に生まれる感情です。それを押し殺したり、比較を避けたりするのではなく、「もっとこうなりたい」という前向きな努力のエネルギーに変えることができれば、劣等感は成長の原動力に変わります。
「すごい」は、自分の願望を映すサイン
他人の「すごい」と感じる部分は、多くの場合、自分自身が本当は身につけたいと思っている能力を映し出しています。
そこに気づかず感情のまま流してしまうと、ただの自己否定で終わってしまいます。しかし言語化して「自分は何を伸ばしたいのか」まで落とし込めば、それは具体的な行動計画に変わります。焦りは、行き先を与えられたときに初めて力になるのです。
私の場合|「負けてる」の隣に、「でも、これは勝ってる」を置いた
同期の活躍を聞いて「やばいな、負けてるな」と焦ったことは、私も一度や二度ではありません。ただ、焦りに飲み込まれきってはいませんでした。今になって理由を言葉にすると、比較を「全面対決」にしていなかったからだと思います。
同期のすごさを認める一方で、こうも思っていました。「分野が違う。あいつにできないことが、俺にはできる」。
負け惜しみに聞こえるかもしれません。でも、この「これは勝ってる」には根拠がありました。積み上げてきた仕事の実績と、取ってきた資格です。感覚ではなく、事実として「自分ができること」を持っていたから、同期のすごさを認めても、自分の全部が否定されるわけではなかったのです。
書き出すという方法は、当時の私が頭の中で無意識にやっていたことを、紙の上で意識的にやる形だと思っています。相手のすごさを言葉にすると、それが「自分の全否定」ではなく「一つのスキルの差」だと見えてきます。
「去年と同じことをしている」が、消える
——今までのあなた
昼休み、同期の話が耳に入ってくる。
「俺、来月から新しいプロジェクト任されることになってさ」
「おめでとう」と笑いながら、胸の奥がざわついている。
「(それに比べて自分は、去年と同じことをやってる気がする……)」
夜、ベッドの中で思い出そうとしても、出てくるのは失敗した記憶ばかり。
「(できてないことばっかりだ……。この会社にいて、成長できてるのかな)」
面談で「最近成長できた点は?」と聞かれても、言葉に詰まる。根拠もなく不安になり、根拠もなく落ち込む。それは、測る物差しを持っていないからです。
——物差しを1つ持った、これからのあなた
帰り際、勇気を出して先輩に声をかける。
「あの、変なこと聞いていいですか。1年前の自分と比べて、今の自分ってどう見えますか?」
「〇〇は安心して任せられるようになったよ。あとは△△ができるようになると、もっと良くなると思う」
「(え……できてる部分、あったんだ)」
その日から、金曜の終業前に手帳へ1行だけ書くようになる。「今週:問い合わせ対応、先輩に聞かずに最後まで返せた」。
10週間後のある金曜、ふとページをめくって、手が止まります。
「(あれ……2ヶ月前の自分、これができなかったのか)」
同期の昇進の話を聞いても、前ほど胸がざわつかなくなっている自分に気づく。
「(同期は同期。自分は自分で、ちゃんと進んでる)」
成長の実感は、他人と比べても手に入りません。物差しを決めたときに、初めて手に入ります。
成長は、内側だけでは見えない
仕事で成長できていないと感じるときは、比べる相手を1つ決めてください。信頼できる人に聞く(他人の目)、週に1行だけ書き留める(過去の自分)、同期の「すごい」を書き出す(同期)。どれか1つで構いません。
自分の内側だけを見つめていても、成長は見えません。物差しを外に置いたとき、初めて自分の変化は形になります。
ただ、3つの物差しを当てても「やっぱり、この環境では伸ばせない」という答えが出ることもあります。上司も同期も同じ会社の中にいる以上、どの物差しも会社の内側で閉じているからです。その判断ひとつだけは、社外の人に一緒に見てもらうほうが早いことがあります。
ひとりで抱える前に、社外の人に話してみる
「キャリナビ転職」は、完全無料のキャリアコーチングです。求人の紹介から始まるのではなく、自己理解のところから、ひとりの担当者が続けて伴走してくれます。「辞めるかどうか」ではなく「何が引っかかっているのか」から話せます。
※対象は20〜34歳の方です。LINEの友だち追加をして、面談の日程を決める流れになります。
サービスの中身と、無料で成り立つ仕組みはキャリナビ転職とは|無料のキャリアコーチングで「軸」だけ作る使い方に書いています。
参考文献
- Luft, J., & Ingham, H. (1955). The Johari window: A graphic model of interpersonal awareness. Proceedings of the Western Training Laboratory in Group Development. UCLA.
- Ashford, S. J., & Cummings, L. L. (1983). Feedback as an individual resource: Personal strategies of creating information. Organizational Behavior and Human Performance, 32(3), 370–398. doi:10.1016/0030-5073(83)90156-3
- Anseel, F., Beatty, A. S., Shen, W., Lievens, F., & Sackett, P. R. (2015). How are we doing after 30 years? A meta-analytic review of the antecedents and outcomes of feedback-seeking behavior. Journal of Management, 41(1), 318–348. doi:10.1177/0149206313484521
- Amabile, T., & Kramer, S. (2011). The Progress Principle. Harvard Business Review Press.(邦訳『マネジャーの最も大切な仕事』英治出版)
- Festinger, L. (1954). A theory of social comparison processes. Human Relations, 7(2), 117–140. doi:10.1177/001872675400700202

