評価のときに成果を思い出せないときの対処法|1年後の評価に備えて、今日1行

仕事の進め方・タスク管理

評価面談が近づいてきて、いざ自分の実績を振り返ろうとしても、何をやったのか具体的に思い出せない。そんな経験はありませんか。

私はあります。自己評価を書こうとして、真っ白な入力欄を前に固まりました。一年前のことなんて、覚えていないのです。

「この1年、何をやってきたんだっけ」と焦って記憶を辿っても、断片的にしか出てこない。今から1年後の評価に備えるつもりで、今日から小さな習慣を始めておけば、その焦りは避けられます。「1行だけならこれなら続けられそう」と思える、シンプルな方法があります。

終業時に、今日やったことを1行だけ記録する

やることはシンプルです。1日の終わりに「今日やったこと」を1行だけメモに残してください。

「A社向け資料を修正」「新人の質問に対応」――そのくらいの短さで構いません。特別なフォーマットはいりません。今日という1日を、来年の自分のために1行だけ残しておく。それだけです。

人は、その日のうちに忘れ始める

理由①:忘却曲線

心理学者ヘルマン・エビングハウスの研究で知られる「忘却曲線」によると、人は学んだことや経験したことの多くを、わずか1日のうちに忘れ始めるとされています。

日々の仕事の内容も例外ではありません。今日の対応は、来月には細部を思い出せなくなり、半年後にはほとんど記憶から消えてしまいます。1年後の評価面談で振り返ろうとしても、そもそも思い出す材料がないのです。だからこそ、忘れる前にその日のうちに残しておく必要があります。

理由②:筆記療法の効果

心理学者ジェームズ・ペネベーカーの研究では、日々の出来事を書き留める習慣が、記憶の整理やストレスの軽減に役立つことが示されています。

書くという行為は、頭の中にある情報を一度外に出し、後から取り出しやすい形にする作業です。1行であっても、書いたという事実が、後から記憶を呼び起こすきっかけになります。

理由③:積み重ねの複利効果

1年分をまとめて思い出そうとするのは、誰にとっても無理があります。しかし、1日1行なら続けるコストはごくわずかです。

その小さな積み重ねが1年続けば、365行の記録という圧倒的な資料になります。1日単位では小さすぎて意味がないように見えても、積み重ねた結果は、評価面談で振り返る際の何よりの証拠になるのです。

私の場合|自己評価を書こうとして、「一年前のことなんて覚えていない」と気づいた

評価の時期になって、自己評価を書くために1年を振り返ろうとしたときのことです。直近の1〜2か月なら、まだ思い出せます。でも期の前半のことになると、ほぼ白紙でした。毎日忙しく働いていたはずなのに、「何をやったか」と聞かれると、具体的なことが出てこないのです。

結局、書けたのは直近の仕事と、よほど印象の強かった出来事だけ。1年間ずっと働いてきたのに、評価の材料になったのは「思い出せた分」だけでした。

このとき痛感したのは、頑張りは、覚えていなければ「なかったこと」と同じになってしまう、ということです。記録がなければ、評価は実力勝負ではなく記憶力勝負になります。1年前の自分を助けられるのは、その日のうちに残した1行だけなのだと、身をもって知りました。

「この1年、何をやったっけ」で固まらない

記録がないまま評価の時期を迎えると、こうなります。

自己評価シートを前に、「この1年、何をやったっけ……」と固まる。「上半期って、何してたんだ?」と記憶を辿っても、出てくるのは先月の仕事だけ。結局、当たり障りのない一行を書いて、「もっと色々やったはずなのにな……」とモヤモヤしたまま提出することになります。

では、毎日の1行があったら、どうでしょうか。

終業時に「A社向け資料を修正」と1行だけ残す。1年後、そのメモをスクロールしながら、「ああ、この時期はこの案件だったな」「これ、結構大変だったやつだ」と、忘れていた仕事が次々によみがえります。

自己評価シートはすらすら埋まり、面談でも「この時期は〇〇の案件でこういう対応をしました」と具体的に話せます。上司から「そんなこともやってくれてたんだね」と言われることもあるでしょう。今日の1行が、1年後のあなたの何よりの味方になるのです。

1年後の評価に備えて、今日1行

評価のときに成果を思い出せないと感じるなら、今日から「今日やったこと」を1行だけ記録する習慣を始めてみてください。1年後の評価に備えるつもりで、今日から少しずつ積み重ねていく。その小さな積み重ねが、1年後のあなたを助けてくれます。

参考文献

  • Ebbinghaus, H. (1885). Über das Gedächtnis: Untersuchungen zur experimentellen Psychologie. Duncker & Humblot.
  • Pennebaker, J. W., & Beall, S. K. (1986). Confronting a traumatic event: Toward an understanding of inhibition and disease. Journal of Abnormal Psychology, 95(3), 274–281. doi:10.1037/0021-843X.95.3.274
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