自分ではどれだけ変わったのか、正直よくわからない。毎日同じように仕事をこなしているだけのようで、成長している実感が湧かない。そんな感覚に不安を覚えていませんか。
私も新卒の頃、その不安の中にいました。毎日必死に仕事をしているのに、自分が変わっている実感はゼロ。周りはどんどん成長しているように見えて、「このままでいいのか」という漠然とした焦りだけが積もっていきました。
「自分は成長している実感がない」「このまま成長できないのか不安になる」。自分の内側だけを見つめていても、答えは見つからないかもしれません。でも実は、「これなら自分では見えない成長にも気づけそう」と思える、シンプルな方法があります。
信頼できる人に、率直に聞いてみる
やることはシンプルです。上司や先輩に「1年前の自分と比べて、今の自分はどう見えますか」と直接聞いてみてください。
自分の変化は、自分自身が一番気づきにくいものです。日々近くで見ている相手だからこそ気づける変化があります。恥ずかしさはあるかもしれませんが、一言聞くだけで、自分では見えていなかった成長が見つかることがあります。
自分では見えない変化を、他人は見ている
理由①:ジョハリの窓
心理学に「ジョハリの窓」という考え方があります。自分は知らないが他人は知っている自己、つまり「盲点の窓」が誰にでも存在するというものです。
成長も同じです。自分では気づけない変化のいくつかは、他人からのフィードバックによって初めて見えるようになります。自分の内側だけを探しても見つからないのは、当然のことなのです。
理由②:フィードバックはチャンピオンの朝食である
経営コンサルタントのケン・ブランチャードはこう言っています。「フィードバックはチャンピオンの朝食である」。
成果を出し続ける人ほど、実は他者からのフィードバックを積極的に取りに行っています。フィードバックを求めることは、弱さの表れではなく、成長を続けるための土台なのです。
理由③:自己評価は悪い方に偏りやすい
人の自己評価は、実際の状態よりもネガティブに偏る傾向があります。特に真面目な人ほど、できていない部分にばかり目が向き、できるようになった部分を見過ごしがちです。
一方で、周囲の人はあなたの日々の変化を、感情の色眼鏡なしで継続的に見ています。だからこそ、第三者からの評価のほうが、実態に近いことが多いのです。
私の場合|先輩の答えは、「できること・できないこと・改善点」だった
その頃の私は、思い切って先輩に正直に聞いてみました。「自分、成長できてますかね」と。
返ってきたのは、励ましでもお世辞でもなく、具体的な整理でした。今の私に「できること」、まだ「できないこと」、そして「改善点」。この3つを、淡々と教えてくれたのです。
一番驚いたのは、「できること」の多さでした。
「意外と、できているんだな」
自分では当たり前になっていて、成長として数えていなかったことが、先輩の目にはちゃんと変化として映っていました。理由③の通り、自己評価は悪い方に偏ります。私も、できていない部分ばかりを見て、できるようになった部分を見過ごしていたのです。
そして「できないこと」と「改善点」は、落ち込む材料にはなりませんでした。むしろ、次に何をすればいいかの具体的なリストになりました。聞く前の私は「漠然と不安な状態」でしたが、聞いた後は「やることが見えている状態」に変わっていました。
思い出せるのが失敗ばかり、ではなくなる
——今までのあなた
夜、ベッドの中でぼんやり考える。
「(自分、この1年で何か変わったのかな……)」
思い出そうとしても、出てくるのは失敗した記憶ばかり。
「(できてないことばっかりだ……。向いてないのかな)」
不安の正体がわからないまま朝が来て、また同じ一日が始まる。
——思い切って聞いてみた、これからのあなた
帰り際、勇気を出して先輩に声をかける。
「あの、変なこと聞いていいですか。1年前の自分と比べて、今の自分ってどう見えますか?」
先輩は少し考えて、こう返してくれる。
「〇〇は安心して任せられるようになったよ。あとは△△ができるようになると、もっと良くなると思う」
「(え……できてる部分、あったんだ)」
自分の中の「できていない」リストの隣に、他人から見えていた「できている」リストが並ぶ。
「(じゃあ、次は△△だな)」
漠然とした不安が、具体的な次の一歩に変わる。その変化は、たった一つの質問から始まります。
自分の内側だけでは、成長は見えない
自分の成長がわからないときは、信頼できる人に「1年前の自分と比べてどう見えるか」を聞いてみてください。自分の内側だけでは見えない成長は、他者からの視点でこそ見つかります。
参考文献
- Luft, J., & Ingham, H. (1955). The Johari window: A graphic model of interpersonal awareness. Proceedings of the Western Training Laboratory in Group Development. UCLA.

