「会議が終わったら、もう夕方になってる」
「結局何も決まらなかった…」
「自分が出る必要ある?この会議」
「作業したいのに、今日も会議だらけで何もできなかった」
「気づいたら一日が終わって、自分のタスクは何も進んでいない」
カレンダーを開けば会議が並んでいて、自分の仕事をする時間がどこにもない。やっと作業に集中できると思ったら、また会議の時間になる。
「これって、本当に必要な会議なのかな」と思いながらも断る勇気もなく出席し続ける。そしてまた今日も、自分のタスクは何も進まなかった。
私にも、会議に時間を奪われていた時期があります。
一度決まった決定事項を、もう一度確認するだけの打ち合わせ。他部署の担当者が変わったからと、同じ説明を繰り返す打ち合わせ。そして、自分がほとんど関与していない案件の打ち合わせ。多い週は週3日、それぞれ3時間ほどが会議で消えていました。
会議が終わっても自分の作業は進んでいない。進まなかった分は残業で取り返す。そして納期に追われる——その繰り返しでした。
それはあなたの仕事の仕方が悪いのではありません。今日は一つだけ、やり方を変えてみてください。
自分の「作業ブロック」をカレンダーに先に入れるだけでいい
「それだけで会議が減るの?」
そう思うかもしれません。でも、これには理由が3つあります。
理由① 空白のカレンダーには、会議が勝手に入ってくる
会議は勝手にカレンダーに入ってきますが、作業時間は自分で守らなければ誰も守ってくれません。
これは悪意の問題ではありません。相手から見てカレンダーが空いていれば、そこに会議を入れるのは自然な行動です。
逆に言えば、先に自分の作業時間をブロックしてしまえば、そこには会議が入りにくくなります。
まずこれだけやってみてください。
- 「午前10時〜12時:集中作業」とカレンダーに登録する
- 他の人から見えるようにしておく(空き時間に見えなくなる)
- 毎日同じ時間帯に入れると習慣になりやすい
会議を入れられる側ではなく、自分のスケジュールを先に確保する側に回るのがポイントです。
理由② 集中できる時間は、作らないと生まれない
経営学者ピーター・ドラッカーは著書『プロフェッショナルの条件』の中でこう言っています。
「時間は最も希少な資源であり、それを管理できなければ、何も管理できない」
会議は「相手の時間」に合わせて動くものです。一方、集中作業は「自分の時間」を能動的に確保しなければ生まれません。
待っていても誰かが作業時間を作ってくれることはありません。自分でカレンダーに入れた瞬間から、その時間はあなたのものになります。
理由③ 集中できる時間が増えると、仕事の質が変わる
カリフォルニア大学の研究によると、一度中断した集中状態を取り戻すには平均23分かかることがわかっています。
会議と会議の合間の30分は、実質的に集中作業には使えません。まとまった時間がなければ、深く考える仕事・創造的な仕事はできません。
作業ブロックを確保することは、単に「時間を増やす」だけでなく、仕事の質そのものを変えることにつながります。
私の場合|先にカレンダーを埋めたら、会議のほうが避けてくれた
正直に言うと、私が最初にブロックしたのは「作業時間」ではありません。定時後の時間でした。
どうしても定時で帰りたい日に、定時後へ「予定あり」とだけ入れておいたのです。
すると、その時間帯には会議の依頼が入らなくなりました。事前にスケジュールが埋まっているのを見て、依頼する側が自然と別の時間を選ぶようになったからです。おかげで、その日は定時で帰れるようになりました。
「予定でブロックしたら、何か言われるのでは」と思うかもしれません。私の場合、何か言われたことは一度もありません。理由ははっきりしています。他の時間で、ちゃんと仕事をしていたからです。ブロックは、成果とセットであれば誰にも文句を言われません。
定時後で効いたのだから、日中の作業時間でも原理は同じです。カレンダーは、先に埋めたほうが勝ち。空けて待っていれば会議に埋められ、先に埋めておけば守られる。私はこの順番を、身をもって知りました。
カレンダーを開いて、ため息をつかなくなる
想像してみてください。
今のあなたは、朝カレンダーを開くたびにため息をついています。
「今日も会議で埋まってる……」
出席した会議は、前回決まったことの再確認。心の中で「……これ、この前決まりましたよね」とつぶやきながら、時計だけが進んでいく。夕方、席に戻って気づきます。
「今日も、自分のタスクはゼロだ」
残業しながら、ふと手が止まる。
「作業は、いつやればいいんだ」
でも、作業ブロックを入れられるようになったあなたは、違います。
前日の帰り際、カレンダーにこう入れておきます。
「明日の10時〜12時は、集中作業」
翌朝、会議の打診が来ても、その枠は空きに見えないので自然と避けられていく。重なりそうなときも、こう返せます。
「その時間は予定が入っているので、午後でもいいですか?」
角は立ちません。あなたは断っているのではなく、先約を伝えているだけだからです。
10時、カレンダーが守ってくれた2時間で、止まっていた資料が一気に進む。夕方、席を立ちながら思うのです。
「今日は、ちゃんと進んだな」
会議がゼロになるわけではありません。でも「今日も何もできなかった」と焦る日は、確実に減っていきます。
予定は、先に入れたほうが残る
無駄な会議に振り回されているのは、あなたの意志が弱いからではありません。
今日、カレンダーを開いてこれだけやってみてください。
明日の「集中作業ブロック」を一つ、今すぐ入れる。
それだけで、明日のあなたの時間は少し変わります。
参考文献
- Drucker, P. F. (1966). The Effective Executive. Harper & Row.(邦訳『プロフェッショナルの条件』ダイヤモンド社)
- Mark, G., Gudith, D., & Klocke, U. (2008). The cost of interrupted work: More speed and stress. Proceedings of CHI 2008, 107–110. doi:10.1145/1357054.1357072

