気づけば、自分にばかり仕事が集中している。そう感じたことはありませんか。
でも、いざ「誰かに頼もう」と思っても、周りのメンバーがどれくらい仕事を抱えているのかは見えません。共有されているわけでもない。だから「今頼んだら迷惑なんじゃないか」「自分でやった方が早い」と考えて、結局すべて自分で抱え込んでしまう。
でも、抱え込みは頑張りの証ではありません。ただ、周りの状況が「見えていない」だけなのです。
対処法は「自分でなくてもできる仕事」を任せること
やることはシンプルです。
いま抱えている仕事の中から、「自分でなくてもできる仕事」を選び出す。調査や情報整理のような、自分の専門的な判断がなくても進められる仕事です。
その仕事を、手が空いていそうな同僚にお願いする。このとき大事なのは、「目的」「やり方」「納期」の3つをセットで伝えることです。何のためにやるのか、どんな手法で進めてほしいのか、いつまでに欲しいのか。この3つがそろっていれば、相手も迷わず引き受けられます。
任せた仕事は、いったん手放す。そのぶん生まれた時間で、自分にしかできない仕事に集中するのです。
なぜ「任せる」だけで負担が減るのか
理由①:自分でなくてもできる仕事は、手放していい
『エッセンシャル思考』の著者グレッグ・マキューンは、「ほとんどのことは、実は重要ではない」と説きます。すべての仕事に同じだけ自分の力を注ぐ必要はありません。自分でなくてもできる仕事を手放すことで、本当に自分にしかできない仕事に力を集中させられます。
理由②:曖昧な依頼は、相手の負担を増やす
「これ、お願いできる?」とだけ伝えると、相手は「何のために」「どうやって」「いつまでに」を自分で推測しなければならず、かえって負担になります。「目的・手法・納期」の3点を先に伝えることで、相手は迷わず動けて、気持ちよく引き受けられるのです。
理由③:抱え込みは、見えないから起きる
自分がどれだけ抱えているかは、言葉にしなければ誰にも伝わりません。同じように、周りが今どれだけ余力があるかも、聞いてみなければ分かりません。見えないもの同士が噛み合わないまま、気づけば一人だけに仕事が積み上がっていくのです。
自分にしかできない仕事に、時間が戻ってくる
自分にしかできない仕事に、集中して向き合っている——そんな時間が、少しずつ増えていく。
少し、私自身の話をさせてください。
周りのメンバーの仕事量が見えず、共有もされていなかったこともあって、気づけば自分に仕事が集中していたことがありました。そこで、手が空いていそうな同僚に「これ、手伝ってもらえない?」と声をかけてみたんです。任せたのは、自分でなくてもできる調査や整理の仕事。「目的はこれで、こういう手法で進めてほしくて、期限はこのあたりで」としっかり伝えました。
すると同僚は「それなら今ちょうど手が空いてるから」と、快く引き受けてくれました。その間に、私は自分にしかできない仕事に取り組むことができて、負担がぐっと減ったのです。
「でも、頼んだら悪いかな」——そう思うかもしれません。でも、あなたが一人で抱えている間、その仕事はまだ誰の目にも留まっていません。声に出してはじめて、周りは気づけるのです。
「それなら、まず一つだけ、任せてみようかな」——そう思えたなら、あなたの働き方は、もう一人で抱え込むだけのものではなくなっています。
全部を、あなた一人で背負わなくていい
自分に仕事が集中してしまうのは、周りの状況が見えていないから。あなたが弱いからでも、頼るのが下手だからでもありません。
今日、抱えている仕事の中から一つだけ、「自分でなくてもできる仕事」を選んでみてください。そして「目的・手法・納期」を添えて、誰かにお願いしてみる。
その一つが、あなたの働き方を、抱え込むものから任せられるものへと変えてくれます。

