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「なんでこんなに怒られるんだろう」
「このちいさなミスで、ここまで怒る?」
「頑張ったのに、こんなに怒られるなら、もう頑張りたくない」
「自分がダメだから怒られるのかな…」
「明日また同じことが起きたら、どうしよう」
小さなミスをしただけなのに、まるで大事件のように責められる。怒られた理由はわかっていても、その量が多すぎて、心が追いつかない。
「もう頑張っても意味がない」と感じてしまうのは、あなたが弱いからではありません。
私も若手の頃、小さなミスで人格ごと否定されるような怒られ方を何度もしました。帰り道に「自分はダメな人間だ」と繰り返して、翌朝また怒られることに怯えながら出社する。あの頃の私は、怒られた量をそのまま自分の価値として受け取ってしまっていました。
ただ、一つだけ知っておいてほしいことがあります。
「怒られた量」は、「ミスの重さ」ではない
「そんなこと言っても、怒られた事実は変わらない」
そう思うかもしれません。でも、これには理由が3つあります。
理由① 人は感情が乗ると、実際より大きく怒ってしまう
心理学に「感情的推論」という概念があります。
強い感情を感じているとき、人はその感情が事実を反映していると思い込みやすいというものです。
上司がものすごく怒っているとき、その怒りの大きさはミスの重さではなく、そのときの上司の感情状態を反映していることがほとんどです。締め切りのプレッシャー、別の案件のストレス、疲労——そういった要素が、怒りを増幅させています。
あなたのミスが引き金になっただけで、その量はあなたのせいではない場合が多い。
理由② 「怒られた量=自分の価値」ではない
研究者のブレネー・ブラウンは、罪悪感と恥をはっきり分けています。罪悪感は「自分はまずいことをした」という行動についての感覚で、恥は「自分はダメな人間だ」という自分自身についての感覚です。ミスは本来わたしたちの前者の話なのに、過剰に怒られると後者にすり替わってしまいます。
ミスをしたことと、あなたという人間の価値はまったく別の話です。
しかし、過剰に怒られると「自分はダメな人間だ」という感覚がセットで押しつけられます。その感覚は事実ではありません。ミスは行動の話であり、あなた自身の話ではない。
怒られた量に引きずられて、自分の価値まで下げる必要はありません。
理由③ 気持ちを立て直すことが、次のパフォーマンスを守る
スポーツ心理学の研究では、ミス後に自分を責め続ける選手ほど、次のプレーのパフォーマンスが下がることがわかっています。
逆に、ミスを「起きたこと」として切り離し、気持ちを立て直せる選手ほど、次の場面で力を発揮できます。
これは仕事でも同じです。過剰に責められた後に引きずり続けることは、あなたを守りません。気持ちを切り替えることが、あなたへの一番の投資です。
怒られた量を、自分の価値として受け取らなくなる
怒られた直後、まず一度立ち止まれるようになります。
「あ、また感情が乗ってるな」と気づける。そうなると、怒られた量をそのまま自分の価値として受け取らなくなります。
家に帰っても引きずらない。翌朝、少し軽い気持ちで仕事に向かえる。ミスをしても「次どうするか」に早く切り替えられる。
怒られることがゼロになるわけではありません。でも、怒られた後の自分の戻り方が変わります。
怒られた量を、そのまま受け取らなくていい
小さなミスで過剰に責められるのは、あなたが弱いからでも、ダメだからでもありません。
怒られた量をそのまま受け取る必要はありません。
今日、過剰に責められたと感じたら、一度だけ自分に聞いてみてください。
「このミスは本当に、それだけの量の怒りに値するものだったか?」
その問いが、あなたを必要以上の自己責めから守ってくれます。
それでも、怒られる量が減らない職場はあります。ミスの重さと怒りの量が何年も釣り合わないままなら、それはあなたの問題ではなく、その場所の基準の問題です。基準がおかしいかどうかは、その場所の中にいると測れません。
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参考文献
- Arntz, A., Rauner, M., & van den Hout, M. (1995). “If I feel anxious, there must be danger”: Ex-consequentia reasoning in inferring danger in anxiety disorders. Behaviour Research and Therapy, 33(8), 917–925. doi:10.1016/0005-7967(95)00022-P
- Brown, B. (2010). The Gifts of Imperfection. Hazelden.

