残業が多くて休めないときの対処法|週に1日だけ、必ず帰る日を決める

仕事の進め方・タスク管理

毎日残業が続いている。

帰ってもご飯を食べてお風呂に入ったら寝るだけ。
休日も体が重くて、何もできないまま月曜日が来る。

「あれ、今日も何もできなかった」
「休みのはずなのに、全然休んだ気がしない」
「このまま歳だけとっていくのかな」

仕事が終わっても、頭の中はずっと仕事のことを考えている。

「明日の会議、資料間に合うかな」
「あのメール、返してなかったっけ」
「また残業か…」

気づいたら、自分の時間が一秒もない一日が何日も続いている。

私にも、そんな時期がありました。エンジニアだった頃、残業は月100時間。土曜出勤も当たり前で、日曜だけの休みは体を回復させるだけで終わっていく。「自分の時間」と呼べるものは、どこにもありませんでした。

そう感じているあなたに、今日は一つだけお伝えしたいことがあります。

解決策はたくさんあります。でも今の状態で「10のこと」を試す余裕はないはずです。
だから今日は、一つだけ

週1日だけ「必ず定時で帰る日」を決めてください

「たった1日で何が変わるの…」

そう思いましたか?その気持ちはよくわかります。

でも、これには理由があります。科学的に。

理由① 長時間働いても、生産性は上がっていない

スタンフォード大学の経済学者ジョン・ペンカベルの研究によると、週50時間を超えて働いても、アウトプットはほとんど増えないことがわかっています。

55時間以上になると、生産性はむしろ落ちていく。

つまり、あなたが毎日遅くまで残っていても、実際に生み出している成果は、もっと早く帰った場合とほぼ変わらない可能性が高いのです。

「もっと働かないと」という感覚は、現実ではなくプレッシャーから来ていることが多い。

理由② 脳は「切り替え」がないと、壊れていく

「仕事が終わっても頭から離れない」という経験はありませんか?

脳科学者のマシュー・ウォーカーは著書『Why We Sleep』の中でこう言っています。

「休息は怠惰ではない。脳のメンテナンスである」

仕事モードのまま24時間過ごすと、脳は回復する機会を失います。その結果、判断力が落ち、感情のコントロールが難しくなり、ミスが増える。

定時で帰る日を作るのは、サボることではありません。翌日のパフォーマンスへの投資です。

理由③ 「1日の例外」が、周囲の期待を少しずつ変える

「定時に帰ったら何か言われそう…」

その不安はわかります。でも、こう考えてみてください。

今のあなたが毎日残業しているから、周囲は「この人は残業する人だ」と思っています。それは無意識のうちに、あなたへの仕事の振り方に影響しています。

週1日だけ早く帰ることを続けると、少しずつ「この人には定時で帰る日がある」という認識が生まれます。

心理学では「一貫した小さな行動が他者の期待を形成する」と言われています。大きな宣言は要りません。静かに、繰り返すだけでいい

私の場合|会社のノー残業デーが、その「1日」だった

月100時間残業だった頃の私を支えていたのが、まさにこの「週1日」でした。

私の場合は、自分で決めた日ではありません。会社の制度のノー残業デーです。どんなに忙しい週でも、その日だけは帰るようにしていました。

ただ、制度があっても、守るかどうかは結局自分次第です。「今日は忙しいから」と一度流してしまえば、その日はただの平日に戻ってしまう。私は「この日だけは何があっても帰る」と決めていました。だから機能したのだと思います。

帰れた日は、日帰り温泉に行ってリフレッシュしていました。湯船に浸かっている間だけは、頭が仕事から完全に離れる。「明日の会議」も「返していないメール」も、考えずにいられる時間でした。月100時間の残業の中で、あの週1日が息継ぎの1日だったのです。

あなたの会社にノー残業デーがあるなら、まずその日を全力で守ることから始めてください。制度がないなら、自分で決めればいい。どちらにしても、「この日は帰る」と決めるのはあなた自身です。

休んだ気がしない休日が、終わる

——今までのあなた。

毎日残業が続いて、帰ったら寝るだけ。休日は体が重くて何もできないまま、月曜日が来る。

「休みのはずなのに、全然休んだ気がしない……」

頭の中はいつも仕事のことでいっぱいで、自分の時間は一秒もありません。

——その1日を決められた、これからのあなた。

最初の1回は、まわりの目が気になって落ち着かないかもしれません。それでも、その日を守り続けるうちに、「この人は定時で帰る日がある人だ」という認識が周囲に定着し、後ろめたさは少しずつ薄れていきます。

帰った日の夜、頭が仕事のことでいっぱいのまま眠りにつくのではなく、自分のための時間を持てるようになる。翌日の朝、疲れが抜けきらないまま出社していた頃とは違う感覚で、1週間を迎えられます。

私にとってのそれが、ノー残業デーの日帰り温泉でした。湯上がりに「まだ外が明るい」と気づいたときの、あの解放感。月100時間の残業は、それでもすぐには消えませんでした。でも「自分の時間がある」という感覚が、残りの6日を戦う力になっていたのは間違いありません。

この小さな習慣は、他の曜日の働き方にも影響していきます。「この日までに終わらせる」という区切りが自然と生まれ、だらだらと続いていた残業そのものが減っていくこともあります。

状態を変えるには、自分で一つ決めるしかない

残業が多くて休めない状況は、あなたの努力が足りないからではありません。

ただ、今の状態を変えるためには、自分で一つ決めるしかありません。

今週、1日だけ決めてみてください。

曜日は何でもいい。「この日だけは帰る」と、心の中で決めるだけでいい。

最初はうまくいかないかもしれない。でも、それでいいんです。

週1日が、少しずつあなたの時間を取り戻す第一歩になります。

参考文献

  • Pencavel, J. (2015). The productivity of working hours. The Economic Journal, 125(589), 2052–2076. doi:10.1111/ecoj.12166
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