「残業が多い」——この悩み、実はひとくくりにできません。
仕事量そのものが多い人と、頼まれると断れない人と、終わっているのに帰れない人とでは、効く対処法がまったく違うからです。合わない対処法をいくら頑張っても、残業は減りません。
この記事では、残業が多いときの対処法を原因別に4つに整理しました。自分に当てはまるものから読んでみてください。
①そもそも仕事量が多くて終わらない
作業スピードを上げても、効率化しても追いつかない。それは「速さ」ではなく「仕事の総量」の問題です。
週に一度タスクを棚卸しして、「やめること」を1つ決める方法が効きます。
②急な残業を頼まれると断れない
予定があっても「わかりました」と言ってしまう。断れない優しさが、残業の依頼を増やしています。
ゼロで断らず、「今日は難しいですが、明日の午前ならできます」と代替案をセットで返す方法が効きます。
→ 残業の断り方|理由は詳しく言わなくていい。角を立てない言い回し集
③仕事は終わっているのに、帰れない雰囲気がある
誰にも頼まれていないのに、周りが残っているから帰れない。それは意志の弱さではなく「空気」の問題です。
定時後の枠に「予定」をカレンダーに入れて、見える先約を作る方法が効きます。
→ 帰れない雰囲気で残業してしまうときの対処法|勇気ではなく、予定で帰る
④残業続きで、休んでも疲れが取れない
毎日遅くまで働いて、休日は寝るだけ。自分の時間がどこにもない。
まず週1日だけ「必ず定時で帰る日」を決めて、回復の起点を作る方法が効きます。
→ 残業が多くて休めないときの対処法|週に1日だけ、必ず帰る日を決める
退勤時の一言メモで、原因は1週間で分かる
4つのうちどれに当てはまるか、頭で考えるとだいたい「全部かも」となります。そうなると打つ手が決まりません。
おすすめは、1週間だけ、退勤するときに一言メモを残すことです。書くのは「今日、なぜ残業になったか」だけ。
- 「終わらなかった」→ ①仕事量の問題
- 「頼まれた」→ ②断れない問題
- 「終わっていたけど帰りづらかった」→ ③雰囲気の問題
- 「疲れが抜けなくて効率が落ちた」→ ④回復の問題
1週間分を並べると、同じ理由が3回以上出てきます。それがあなたのパターンです。全部に手を出さず、一番多かったものから読んでみてください。
私の場合|月100時間残業から抜け出すまでに、効いた順番
私自身、エンジニアだった頃に月100時間の残業をしていた時期があります。4つで言えば、私は①と②が重なっているタイプでした。仕事量そのものが多いうえに、その真っ最中に「これもお願いできる?」と飛んでくる依頼を、断れずに受けていたからです。
最初に効いたのは①でした。頭の中で整理しようとしても必ず抜けるので、付箋に全部書き出して並べる棚卸しをしました。そこで「やめること」を決めてから仕事が流れるようになり、当たり前だった土曜出勤がなくなりました。
次が②です。「できません」と断るのではなく、「着手はそのあとでいいですか?」「どちらが最優先ですか?」と返す二段構えを覚えてから、依頼を受けるかどうかで消耗することがなくなりました。
正直に言うと、③の「帰れない雰囲気」には、私は勝てませんでした。私が定時で帰れたのは、会社のノー残業デーという「事情」がある日だけです。逆に言えば、事情さえあれば帰れるということでもあります。
そしてその週1日が、④の回復にもなっていました。私にとってのそれは、ノー残業デーの日帰り温泉です。「この日だけは何があっても帰る」と決めていた1日が、月100時間の中で唯一、自分を戻せる時間でした。
重なっているなら、まず総量から減らす
私のように複数が重なっている人は、次の順番をおすすめします。
- ①仕事量 —— まず総量を減らす。ここが減らないと他が効きません
- ②断り方 —— 減らした分がまた埋まらないよう、入口を締めます
- ④週1日の回復 —— 続けるための体力を先に確保します
- ③帰れない雰囲気 —— 最後でかまいません
③を最後に置くのには理由があります。雰囲気は自分ひとりの努力では変えにくく、気合いで挑むと消耗するだけだからです。①②で「そもそも残る理由」が減ってから、カレンダーの予定という「事情」を作るほうが、ずっとうまくいきます。
まず「自分の残業の原因」を見極める
対処法は、原因に合っていて初めて効きます。1週間のメモで自分のパターンが見えれば、打つ手は上の4つの中にあります。
全部を一度にやる必要はありません。当てはまった1つから、今週始めてみてください。

