仕事に行きたくない日が続くときの対処法|毎朝10点で、自分の状態を測る

メンタル・気持ちの整え方

「最近、毎日のように仕事に行きたくない」

「これって普通の憂鬱? それとも、もう限界のサイン?」

「自分でも、自分の状態がよく分からない」

行きたくない日が続くと、不安になりますよね。
でも「毎日つらい」という感覚だけでは、本当に毎日なのか、悪化しているのか、実は波があるのか、自分でも判断できません。

判断できないまま頑張り続けることが、いちばん危ない。

これは、私自身の反省でもあります。かつての私は、自分の状態を測るものさしを何も持たないまま頑張り続け、気づいたときには心が限界の一歩手前まで来ていました。結局、逃げるように転職することでしか止まれなかった。あのとき自分の状態を数字で見られていたら、もっと早く「休む」「相談する」という選択ができていたはずです。

必要なのは気合いではなく、自分の状態を測る「ものさし」です。

今日は一つだけ、やり方を変えてみてください。

毎朝「行きたくない度」を10点満点で記録するだけでいい

やることは、10秒で終わります。

  • 毎朝、「今日の行きたくない度」を10点満点の数字で1つメモする(例:「7」)

コメントも反省も不要です。スマホのメモに、数字を並べていくだけ。点数の基準は自分の感覚で大丈夫です。「いつも通り」を5点として、その日の上下をつけるだけでOKです。

「数字をつけたくらいで、何が変わるの?」

そう思うかもしれません。でも、これには理由があります。

理由① 記録するだけで、感情に飲み込まれにくくなる

心理学では「セルフモニタリング」と呼ばれる効果が知られています。自分の状態を記録して観察するだけで、感情と少し距離が取れ、客観的に扱えるようになるのです。気分の記録は、認知行動療法でも最初に使われる基本のツールです。

「行きたくない」と感じている自分と、「今日は7点だな」と採点している自分。後者には、感情を外から眺めるもう一人の視点があります。この視点こそが、飲み込まれない力になります。

理由② 測れないものは、扱いようがない

物理学者のケルビン卿は、1883年の講演でこう述べています。

測定して数字で表せるなら、あなたはそれについて何かを知っている。しかし測定できず、数字で表せないなら、その知識は乏しく不十分なものだ

よく「測定できないものは改善できない」という形で引用されますが、ケルビン自身が言ったのはここまでです。それでも十分でしょう。数字にできないものは、そもそも扱いようがないのです。

会社の売上も、ダイエットの体重も、数字で測るから対策が打てます。心も同じです。「なんとなく毎日つらい」のままでは打つ手を選べませんが、「月曜と水曜だけ8点を超える」と分かれば、その曜日の負荷を見直すという具体的な一手が見えてきます。

理由③ 数字は、限界を知らせる「安全装置」になる

「毎日つらい」という記憶は、実は偏っていることが多いものです。人は、つらかった日ほど強く覚えているからです。記録してみると「先週は3点の日が2日あった」と気づくこともあります。

逆に、8点以上が2週間続いていたら、それは気合いでどうにかする局面ではなく、休む・誰かに相談するサインです。感覚では見逃してしまう限界を、数字は淡々と知らせてくれます。

「もうダメだ」と「7点だ」は、まったく別のもの

「でも、記録したって、気持ちそのものは変わらないんじゃ……」

そう思うかもしれません。確かに、数字は気持ちを直接変えません。でも「分からないまま不安」と「7点だと分かっている」は、まったく別のものです。

記録を続けたあなたは、「自分はもうダメかも」という漠然とした不安の代わりに、「今週は平均5点。先週より少し良い」と自分を眺めています。

しんどい曜日には予定を軽くする。数字が高い週は早めに寝る。数字が下がってきた週は、自分の工夫が効いている証拠です。もし高止まりが続けば、記録を持って上司や医師に相談すればいい。「毎日つらいんです」より「この1か月の記録です」のほうが、状態は正確に伝わります。その数字の列は、あなたの状態を正確に伝えてくれる資料にもなります。

怖いのは、自分の状態が分からないまま続けること

行きたくない日が続くとき、いちばん怖いのは「自分の状態が分からないまま頑張り続けること」です。

明日の朝から、10点満点の数字を1つだけメモしてみてください。10秒で終わります。

その小さな数字の列が、あなた自身を守る、いちばん確かなものさしになります。

参考文献

  • Korotitsch, W. J., & Nelson-Gray, R. O. (1999). An overview of self-monitoring research in assessment and treatment. Psychological Assessment, 11(4), 415–425. doi:10.1037/1040-3590.11.4.415
  • Thomson, W. (Lord Kelvin) (1883). Electrical units of measurement. Popular Lectures and Addresses, Vol. 1. Macmillan.
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